焼き色は、美しい色、キャラメルの色。

こんにちは
本日の担当はASKです

先日ころすけさんお手製スイートポテトをいただきました
まだほくほくと温かいうちに持ってきてくださり、久しく忘れていた人のぬくもりを思い出しました

美味しかったのは言わずもがな。
黙々と味わう間、浮かんだのは１冊の本でした

６篇の短編が収められています。
そのどれもが声に出して読みたい日本語、というか、黙読してもリズムがあって気持ちが良い名文美文

表紙はどう見ても森永のミルクキャラメル
滋養豊富、風味絶佳。
小説、あるいは文章オタクにとって至高の１粒が、６個入り。

さて、美しい、にも種類があります。
無駄を一切削ぎ落としたもの。
自然発生したもの。
アスファルトに咲く花みたいに健気で逞しいもの。
『風味絶佳』は、手が込んだ、職人芸の粋というか、工芸品と呼んでもよさそうな、そんな美しい小説です


ASKのイチオシは「夕餉」
ぱっと見は完全に料理小説です

ちゃんと読むと、食べたものが身体をつくり、その身体で働いたり、愛し合ったりするとお腹が減るから、食べる。
そういう循環が見えてきます。

その病的なほど正常なサイクルと２人の関係の異常性の対比のお話だけど、最終的に円環の理（違）に導かれて正常な方向へ収束しようとするのが、何だか羨ましく、愛おしい。

流し読んで、ただのお料理が一流の文芸作品に昇華するこの麗筆を心行くまで楽しむのも乙というもの。



いただいたスイートポテトにほんのりとついた焼き色。
食欲をそそるその色は、さつまいもの焼けた色ではなく、わざわざ卵を塗ってつけるそうです。
やっぱり、手の込んだものは美しい。

とか思いつつ、今日も機能美の最高峰：カロリーメイトをもさもさ食べているASKでした